『君の名は。』聖地巡礼【Your Name.Pilgrimage Guide】

アニメ聖地巡礼

2016年に公開された、新海誠監督による長編アニメーション映画『君の名は。』

17歳の高校生、瀧と三葉。
住む場所も家族も、まったく違う環境で生きてきたふたりが、ある日突然、夢の中で入れ替わる――。

最初は戸惑いながらも、都会での刺激的な暮らしや新しい人間関係を通じて、次第に互いの存在を意識しはじめる。
そんな中、テレビでは「1200年に一度地球に接近する彗星」が、1か月後に観測されるというニュースが流れ始める。

場所も時間も越えてつながる、ふたりの奇跡の物語。

※本文中のアニメ場面・セリフはすべて© 2016「君の名は。」製作委員会/東宝株式会社/コミックス・ウェーブ・フィルムより引用しています。

  1. ― はじめての東京。君の身体で体験する都会の生活 ―2016年9月5日(月)
    1. 瀧の自宅シーン
    2. 自宅の場所を考察するヒント
    3. 新宿の風景
    4. 瀧の高校
    5. カフェのシーン
    6. アルバイト先のレストラン
    7. 瀧の自宅
  2. ― 主題歌と都会の風景 ―
  3. ― 憧れの人とのデート ―2016年10月3日(月)
    1. 奥寺先輩とのデートコース
  4. ― 大切な人を探して、岐阜県飛騨への旅 ―2016年10月21日(金)
  5. ― 東京を探して、あなたを探して。三葉、運命の旅へ ―2013年10月3日(木)
    1. 東京へ向かう三葉
    2. 大切な人を探して
    3. 運命のすれ違い
    4. 三葉の髪
  6. ― 彗星の夜、ふたりが交わるとき ―2013年10月4日(金)
    1. 彗星が降る日、ふたりの魂が交わるとき
    2. 想いでつながるふたり
    3. 彗星、そして別れ夜空を裂くように、美しくも恐ろしい彗星が、光の尾を引いて糸守の空を横切ります。
  7. ― 奥寺先輩との散歩コース ―2021年10月4日(月)
    1. 四ツ谷駅
    2. 弁慶橋を歩いて
    3. 彗星の記憶とともに
    4. ホテルニューオータニと首都高の下で
    5. やがて再び、四ツ谷へ
    6. 迎賓館赤坂離宮
    7. 瀧の自宅付近
    8. 信濃町駅から新宿の夜景を眺めて
    9. 信濃町歩道橋での別れ
  8. ― 新宿の冬空の下で ―2021年12月3日(金)
    1. カフェでひと息
    2. 新宿西口、新都心歩道橋
    3. 運命のすれ違い
  9. ― 時を超えて想いが重なるとき ―2022年 春
    1. 須賀神社──ふたりが再び出会う場所

― はじめての東京。君の身体で体験する都会の生活 ―2016年9月5日(月)

瀧の自宅シーン

朝7時34分。
田舎暮らしに憂鬱を感じ、都会への憧れを抱く三葉。

スマートフォンのアラームで目を覚まします。
しかしそこは、見知らぬ部屋、見知らぬ身体――。

キッチンで父に声をかけられたとき、テーブル上のタブレットには8時45分の表示。
つまり、目覚めてから状況を理解するまで、1時間以上が経過していたことになります。
さらに、ツカサからのLINEが届いたのは8時52分。
スマートフォンの画面から、日付が「9月5日(月)」であることも確認できます。

自宅は、表札から「608号室」=6階であることが分かります。

玄関から見える東京の風景

突然の出来事に不安と戸惑いを抱えながらも、身支度を整えた瀧(中身は三葉)。
玄関を開けたその瞬間――三葉の目に飛び込んできたのは、初めて目にする東京の都市風景でした。

玄関からの眺望には

・正面には、東京タワー、赤坂パークビル、パークコート赤坂ザ・タワー、赤坂ガーデンシティ

・右手には、東京ミッドタウン

左手には、迎賓館赤坂離宮の特徴的な緑色の屋根

これらの建物の位置関係から、三葉が見ている方向は南側であり、
目下に広がる木々は、赤坂御用地(赤坂御所)であると推定されます。

自宅の場所を考察するヒント

自宅から見える景色では、さらに画面の右下(西側)には、首都高速4号新宿線「外苑出口」と「池袋・新宿方面は新宿出口へ」という案内標識が映っています。

この標識は、実際に、みなみもと町公園(新宿区南元町)の西端付近に設置されていることが確認されています。

つまり、瀧の自宅は、

  • 首都高速4号新宿線の北側
  • みなみもと町公園の北側付近

さらに具体的には、
新宿区若葉1丁目、朝日橋の北側付近が該当すると考えられます。

補足:10月2日のデートシーンにて

なお、10月2日、奥寺先輩とのデート当日。
瀧が自宅から集合場所に向かって走り出すシーンでは、さらに詳しい自宅周辺の街並みが映し出されています。
このシーンもまた、自宅の場所を考察するうえで非常に貴重なヒントとなっています。

新宿の風景

画面は、バスタ新宿を右手に見ながら、甲州街道を西から東へと移動していきます。
正面には新宿四丁目交差点が見え、さらに進むと、風景は新宿大ガード東交差点へと移り変わっていきます。

このシーンでは、JR新宿駅南口を出た瀧が、甲州街道沿いを東へと歩いていく様子が描かれています。
新宿の高層ビル群や活気ある街並みの中を、都会の喧騒に包まれながら、嬉しそうに歩く彼の姿が印象的です。

カメラは、新宿駅南口の甲州街道を渡るデッキ(新宿駅新南改札方面)から、新宿四丁目交差点を望みます。
正面に見えるのは、新宿マルイ アネックスや新宿バルト9が入居する地上14階建ての「新宿三丁目イーストビル」です。

瀧の高校

瀧(中身は三葉)が学校に到着するのは昼ごろ。彼が通っているのは、東京都立神宮高等学校です。

屋上のシーンでは、東京タワーや六本木ヒルズが映り、東京タワーが左側に見えることから、校舎はそれらの北側に位置していると考えられます。

校名が「神宮高等学校」であることから、明治神宮や神宮外苑周辺をイメージして設定された可能性が高いですが、この学校は実在せず、架空のものであり、具体的なロケ地の特定には至っていません。

カフェのシーン

ツカサたちに誘われて、瀧(中身は三葉)がやってきたのは、都会の洗練された雰囲気が漂う、おしゃれなカフェ。
ガラス張りの外観や天井の木組みなど、細部にまでこだわりが感じられる、落ち着いた空間です。

まったりとしたひとときを過ごしていたところ、バイト先からの呼び出しが入ったのは17時32分。
スマートフォンに届いたメッセージの時刻表示から、そのことがわかります。

なお、建物の内装は非常にリアルに描かれているものの、外の風景が限られており、実在の店舗との一致を見出すのは難しい状態です。

アルバイト先のレストラン

瀧が働いているアルバイト先は、イタリアンレストラン「IL GIARDINO DELLE PAROLE」。

これはイタリア語で「言の葉の庭」という意味になります。名前からも、新海誠監督の過去作へのオマージュが感じられます。

スカートの裁縫シーン

アルバイトの終了後、奥寺先輩のスカートの破れを見つけた瀧は、制服姿のまま裁縫を始めます。
壁掛け時計の時刻から、裁縫を始めたのは22時10分、縫い終えたのが22時16分。
わずか6分で、赤・緑・黄色・オレンジの4色を使って、かわいらしい模様に仕上げたのは驚きです。
22時17分には、奥寺先輩からお礼の言葉がかけられます。

帰宅時の乗り換え検索から判明すること

帰りの電車の中、瀧はスマートフォンで自宅までの乗り換えを検索しており、以下のような表示が確認できます。

22時32分 JR恵比寿駅発(山手線 外回り)

22時40分 代々木駅着

22時44分 代々木駅から総武線千葉方面行きに乗車

3駅目で下車(乗車時間6分)

この検索結果から、次の2つのことが推測できます:

① 瀧のアルバイト先は「恵比寿駅」付近
22時32分にJR恵比寿駅を出発しているため、それまでに駅に到着している必要があります。
仮に、レストランで制服から学生服へ着替えるのに5分かかったとすると、レストランを出たのは22時22分ごろ。
そこから恵比寿駅まで歩いたとすれば、徒歩10分以内の距離にレストランがあると考えられます。

② 瀧の自宅の最寄り駅は「四ツ谷駅」
乗り換え検索の表示によると、総武線千葉方面行きに代々木駅から22時44分に乗車し、3駅目で6分乗車。
これは、代々木 → 千駄ヶ谷 → 信濃町 → 四ツ谷 という経路と一致します。

つまり、瀧の自宅の最寄り駅は「四ツ谷駅」である可能性が高いといえます。

瀧の自宅

その日、瀧(中身は三葉)が自室のベッドでスマートフォンを見つめていたのは23時46分。
初めて体験する東京での生活、そして慣れない都会での一日がようやく終わろうとしています。

この日は、朝の目覚めから、見知らぬ家族・学校・街の中での戸惑いと発見、
そして友人との交流やアルバイト体験と、まさに長くて刺激的な一日でした。

三葉にとって憧れだった東京での生活を、瀧の身体を通じて「体感」した一日――
その余韻が、夜の静かな部屋の中でしみじみと描かれています。

― 主題歌と都会の風景 ―

RADWIMPSの楽曲「前前前世」が流れるシーンでは、瀧の日常を彩る東京の風景が次々に映し出されます。

新宿警察署裏交差点、四ツ谷駅、明治神宮外苑、新宿大ガード東交差点など、都心の景色がリズミカルに切り替わり、都会の喧騒と疾走感が印象的に描かれています。

この主題歌パートでは、瀧の自宅マンションの外観も映し出されます。そこからいくつかのことが読み取れます。
まず、瀧の部屋が最上階の6階であることがわかります。すでに608号室であることは判明済ですので6階建てのマンションであることがわかります。
さらに、屋上部分には瓦が4段にわたって配置されており、特徴的な造りとなっています。

これらの描写をもとに再度ロケ地の特定を試みましたが、該当する建物は見つかっておらず、マンション自体は実在しない、架空の建築物であると考えられます。

― 憧れの人とのデート ―2016年10月3日(月)

奥寺先輩とのデートコース

午前10時15分。奥寺先輩からの連絡で、まさかのデート当日であることを知ります。
慌てて準備をして家を飛び出しますが、自宅前の静かな住宅街の風景が印象的に映し出されます。

四ツ谷駅前で待ち合わせ

集合時刻は10時30分、場所は四ツ谷駅前
瀧の自宅から四ツ谷駅まではおよそ750メートル。急いで支度をして走れば、ギリギリ間に合う距離です。

都会的なデートコース

ふたりはまず六本木ヒルズの展望台へ向かい、続いて国立新美術館カフェ展示室を巡ります。
現代的で洗練された都会のデートスポットばかりで、どこか浮き足立った瀧の様子が描かれています。

デートの帰り道

帰り道では、外苑東通り(国道319号線)にかかる信濃町歩道橋が登場。
作中に映る「港区との区界の標識」から、ここが信濃町歩道橋であることが特定できます。

また、夕暮れ時のシーンでは、沈みかける太陽を背景にそびえるNTTドコモ代々木ビルが印象的に描かれ、都会の空気と時間の流れがしみじみと伝わってきます。

デートの終わりとすれ違い

慣れないデートに気疲れした瀧がスマートフォンで時刻を確認したのは17時23分
三葉からのメッセージには「デートが終わる頃には、ちょうど空に彗星が見えるね。」と書かれていましたが、電話をかけても彼女には繋がりません。
ここから物語は、再びふたりの時間のねじれと、切なさを帯びた展開へと進んでいきます。

― 大切な人を探して、岐阜県飛騨への旅 ―2016年10月21日(金)

瀧は三葉を探して岐阜県飛騨へと向かいます。瀧が求めていた場所が糸守であることが分かります。

岐阜県古川図書館(実際には飛騨市図書館)で、彗星事故に関する資料を調べながら、瀧は真実に近づこうとします。

― 東京を探して、あなたを探して。三葉、運命の旅へ ―2013年10月3日(木)

東京へ向かう三葉

物語が大きく動き出す日。
この日、三葉は瀧に会うため、岐阜県の糸守から東京へと向かいます。

列車の色や形式と行き先美濃太田との表示から、三葉が利用したのは地元からの高山本線と在来線電車、そして名古屋からは東海道新幹線と推測されます。
新幹線の車窓からは、ほんの一瞬だけ東京タワーが遠くに見えます。

街角の大型ビジョンに「ティアマト彗星、明日最接近」と記載があることから、10月3日であることが分かります。

大切な人を探して

東京駅の構内案内板が映るカットでは、不慣れな土地で必死に瀧を探す三葉の姿が描かれます。
しかし、なかなか見つからず、信濃町歩道橋から電話をかけても繋がりません。

都内を歩き回った末に、彼女がたどり着いたのは代々木駅
ホームのベンチに座って待つ三葉の姿には、不安と希望が交錯しています。

やがて到着する中央線・各駅停車 千葉行きの電車に、瀧が乗っていると気づき、三葉は電車に乗り込みます。

運命のすれ違い

代々木駅から電車が発車し、三駅目が近づく頃(四ツ谷駅の手前)――
三葉はついに勇気を振り絞り、車内の瀧に話しかけます。

しかし、瀧の反応は――彼女のことをまったく覚えていない
名前も、顔も、記憶も……何ひとつ――

このシーンは、物語の中でもひときわ切なく、静かに胸を打つ瞬間です。
けれどもこのすれ違いをきっかけに、ふたりの“場所”と“時間”がついに接点を持ち始めたことが、観る者に強く印象づけられます。

三葉の髪

東京から戻ったその日、三葉はおばあちゃんに頼んで髪をバッサリと切ってもらいます。

― 彗星の夜、ふたりが交わるとき ―2013年10月4日(金)

彗星が降る日、ふたりの魂が交わるとき

彗星が地球に最接近するこの日。
時間と場所、そして現実と記憶の境界がゆらぎ、ふたりはついに――重なる瞬間を迎えます。

三葉と瀧、ふたりの意識が繋がるのは、黄昏時。
そのわずかな時間だけ、異なる時空を生きていたふたりが出会う奇跡が起こります。

想いでつながるふたり

互いの姿が見え、声が届く。
それは、ようやく“お互いを知る”ことのできた奇跡の瞬間。

けれど、それも長くは続きません。
やがて陽が沈み、黄昏が終わるとともに、ふたりのつながりは再び解けていきます。

それでも三葉は、瀧との出会いを胸に、大切な人たちを守るために奔走します。
彼女は人々に避難を呼びかけ、町を救おうと全力を尽くします。

彗星、そして別れ夜空を裂くように、美しくも恐ろしい彗星が、光の尾を引いて糸守の空を横切ります。

その瞬間、ふたりを繋いでいた記憶も、少しずつ失われていきます。
名前も、声も、姿も、記憶の中から消えていく――。

しかし、たしかな“想い”だけは、胸の奥に強く残り続けます。

そして――19時20分ごろ。彗星が二つに分裂します。

― 奥寺先輩との散歩コース ―2021年10月4日(月)

四ツ谷駅

15時40分。四ツ谷駅をスタート。

瀧は奥寺先輩からのLINEを15時40分に受け取り、四ツ谷駅で待ち合わせます。

10月4日(月)であることは瀧のスマートフォンの画面から分かります。また、糸守に行ったのは5年前と言っていることから2021年であることが分かります。

弁慶橋を歩いて

ふたりは四ツ谷駅から南へ歩き、弁慶橋を渡ります。
川沿いに続く石垣と、ゆったりと浮かぶ手漕ぎのボート。
東京の中心にありながら、どこか懐かしさを感じさせる風景が広がっています。

彗星の記憶とともに

赤坂見附駅前の高架橋を横断し、大通り沿いの電気屋の大型スクリーンにふと目をやります。
そこには、かつて夜空を裂いた彗星の映像が流れていました。

ホテルニューオータニと首都高の下で

さらに歩を進め、ふたりは首都高速4号新宿線の高架下へ。
瀧はふと、過去の出来事に思いを馳せながら静かに語ります。

右手には、重厚で個性的な外観を持つホテルニューオータニ東京
その姿が、夕暮れの光を受けて映し出されます。

やがて再び、四ツ谷へ

ふたりは喰違見附跡付近で四ツ谷駅方面を眺めます。

喧騒の中にある東京の一角で、ふたりだけの静かな時間が流れていきます。

迎賓館赤坂離宮

ふたりが歩いたのは迎賓館赤坂離宮の北側のルートだと思われます。

瀧の自宅付近

ふたりが歩いたのは迎賓館赤坂離宮の北側のルートだと思われます。

瀧の自宅付近を通り過ぎ、信濃町駅まで見送ったことになります。

信濃町駅から新宿の夜景を眺めて

ふたりは想い出話を語りながらJR信濃町駅付近まで歩きます。

新宿の象徴的な建造物であるドコモタワー、パーク ハイアット東京、東京都庁が目に入ります。

信濃町歩道橋での別れ

ふたりは静かに言葉を交わしながら、信濃町駅前へと歩いていきます。
そして最後に――信濃町歩道橋の上で別れます。

まるで、過去と現在を優しくつなぎ合わせるような、静かで温かな時間でした。

― 新宿の冬空の下で ―2021年12月3日(金)

カフェでひと息

冬の東京。
街にはクリスマスの飾りが灯りはじめ、どこか浮き立つような空気が流れていました。
友人たちは次々に就職先の内定を決めていく中で、瀧はまだ手応えを感じられず、焦りと不安が心の中に静かに広がっていきます。

新宿西口、新都心歩道橋

この日、東京には淡い雪が舞っていました。
瀧が歩くのは、新宿西口・損保ジャパン本社ビル前の新都心歩道橋
高層ビルが立ち並ぶその風景の中で、彼の心もまた、どこか晴れないまま時間が過ぎていきます。

運命のすれ違い

そのとき――。
歩道橋の上で、三葉もまた、反対方向から歩いてきます。
お互いに顔を伏せたまま通り過ぎようとしたその瞬間、
何かが胸の奥でふるえるような感覚。

ふたりは足をとめて振り返りますが、
しかし、タイミングは合わず、そのまま背中を向けて離れていきます。

― 時を超えて想いが重なるとき ―2022年 春

須賀神社──ふたりが再び出会う場所

春、再び動き出す物語

あの日から、いくつもの季節が過ぎ、東京にも春が訪れました。
桜が咲き始めた暖かなある日。
瀧と三葉、それぞれの人生を歩んできたふたりの時間が、再び重なろうとしていました。

すれ違う電車、重なる想い

瀧は中央線快速に、三葉は各駅停車に乗っていました。
車窓から、大切な誰かを見つけたような気がして──
お互いに理由も名前も分からないまま、ただ「会わなければ」と強く感じ、次の駅で電車を降ります。

けれど快速と各駅停車。ふたりが降りたのは別々の駅。

それでも、走り出す

瀧が降りたのは新宿駅南口
改札を出てすぐ、彼は甲州街道を東へ走り出します。
誰を探しているのかも、なぜ走っているのかも分からないまま、胸の奥の衝動だけが彼を突き動かしていました。

一方、三葉はJR千駄ヶ谷駅で下車。
こちらもまた、名前も記憶も分からないまま、確かな「何か」を感じて走り続けます。

やがて、彼女の目の前に現れたのは、
「須賀神社入口」の小さな看板。

須賀神社へと続く道

三葉が足を踏み入れたのは、東福院坂と円通寺坂が交差する十字路
そこから北へ、須賀神社を背にして走り抜けていくのが分かります。

ふたりがついに出会うのは、須賀神社の男坂です。

会──名前は分からなくても

瀧は、坂の下──つまり北側から
三葉は、坂の上──南側から
お互いを目指して階段ですれ違います。

名前も、理由も、思い出せない。
けれど、「この人だ」と心が叫ぶ。

ただ一言、「君の名前は……」と声が重なったその瞬間、
ふたりの時間が、場所が、ようやく一致しました。

ロケ地メモ:須賀神社

  • 所在地:東京都新宿区須賀町5-6
  • アクセス:JR四ツ谷駅または信濃町駅から徒歩10〜15分ほど

※当記事は映画『君の名は。』の作品世界およびロケ地紹介を目的とした非公式ファン記事です。
© 2016「君の名は。」製作委員会/東宝株式会社/コミックス・ウェーブ・フィルム
掲載された地名・施設情報は取材時点のものであり、実際の訪問の際は各施設の公式情報をご確認ください。

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